2018年11月後半、私は福島県郡山市から宮城県仙台市を目指すことにした。
福島にきて数年が経ったが、北は福島市までしか行ったことがなかった。自分の心の中に自転車で福島と宮城の県境を越えてみたいという気持ちがあった。それならば行くしかない。
実はこの数週間前に電車で仙台を訪れている。電車で行った仙台駅に自転車で行くのもきっと面白いはずだ。今度は自分の脚で行くのだ。
郡山から仙台まではおよそ140kmほどだ。
ルート的には国道4号をまっすぐ行くほうが距離が短い。ただし、4号ルートは勾配がきついとネットに情報があった。そのようなわけで、今回は阿武隈川沿いを通るルートにした。結果的にこれは良い選択だったと思う。
郡山から仙台へ
国道4号をまっすぐ 郡山から福島へ
(福島市街地手前の坂、郡山から40km地点)
午前5時、郡山の自宅を出発した。
まだ空は真っ暗だが、国道は街灯が多くて助かる。
郡山から福島の区間は過去に何度も通っている。ここは単調すぎてお楽しみではない。
9時ごろ、やっと福島の盆地が見えてきた。
ここから福島市街地まで下るこの急坂が私は好きだ。昔のアニメのポケモンで、丘の上で次のまちが見えてきたという絵にとても似ている。この感じ伝わるかな。
福島から阿武隈川沿いへ
(福島学院前駅、郡山から50km地点)
国道399号は阿武隈急行線が並走しているので、駅巡りも楽しめる。写真は、福島学院大学の前にある福島学院前駅。大学前に駅があるのは私鉄らしいなと感じた。
田舎道を突っ走る 福島から梁川へ
片側一車線の田舎道、路肩は狭い。しかし、遠くに見える山が綺麗だ。
国道4号から分岐して5kmほど走っただろうか、保原についた。
保原は阿武隈急行線沿いのなかでは結構栄えているほうだ。ここからは国道349号線に入る。それより、カメレオンクラブってまだ生きてたのか。
11時半、梁川駅についた。R4分岐からは10kmほどだ。
駅舎の中にはそば屋があったりと何だか興味を惹く駅だった。阿武隈急行では梁川行きが結構あるが、駅前が特別栄えているという感じではなかった。すっきりとした町という感じがあり、結構私の好みの町だった。
さあ、ここからがこのルートのみどころだ。
阿武隈川のすぐ傍を通る 梁川から丸森へ
国道349号は梁川から丸森まで阿武隈川沿いを通る。ここの阿武隈川の景色は良いという情報を手に入れていたためこのルートを選んだのだ。
川の向こう岸には阿武隈急行の兜駅がみえる。梁川駅の3つ隣の駅だ。ちょうどここは険しい県境のあたりで、この駅を誰が利用するかが気になる。
(福島宮城県境、郡山から70km地点)
県境の看板が見えてきた。福島県伊達市から宮城県丸森市へ入る。自転車での宮城県入りは初めてだ。
道は車一台は通れるかという狭さになったり、広がったりを繰り返す。見通しも悪いため、ここでスピードを出してはいけない。川沿いをギリギリ走るという訳でもないため、特に怖さはない。
トンネルを抜けたあたりで、水が噴き出している岩を反対側に見つけた。
弘法の噴水というらしい。よくできている。
隘路区間を抜けた。
集落がぽつぽつと見えはじめ、移動販売車の姿もあった。なるほど、このような場所には移動販売車がくるのか。山奥の買い物事情を少しは知ることができたかな。
時計の針は13時を指している。丸森駅についた。
駅に到着した電車からは学校帰りであろう学生が吐き出される。みんな仙台の高校にでも通っているのだろうか。
丸森という名前が数年ほど前に流行ったマルモリダンスとかぶる。
丸森から角田、そして仙台へ
14時、角田駅についた。
なかなか立派な駅舎である。
角田にはJAXAの実験場があり、遠くからでも見える大きなロケットのモニュメントがあった。また訪れる機会があったら、施設を見学したい。
なんと!こんなところにはなまるうどんがあったので、ここで遅めの昼食にした。やはりきつねうどんは美味だった。
ここから仙台まで20kmほどなので、日が落ちる前には着くだろう。
いやー、阿武隈川沿いのルートはなかなかのお楽しみだった。
16時、ついに仙台市に入る。
郡山から130kmは走ったはずだ。不思議と疲れはない。しかし時間がかかりすぎたかもしれない。
(長町駅、郡山から140km地点)
16時15分、仙台駅一個手前の長町駅についた。ここをゴールにした。
数週間前に電車でここにきたことを懐かしみながら、自転車で無事来ることができたことに感動した。電車で2時間半の道をわざわざ自転車で11時間かけて来るなんて面白すぎる。
そのあとは自転車を仙台駅近くの駐輪場にとめて、夕方の仙台を散歩した。仙台のアーケード街は人であふれていた。 そしてネカフェで一夜を過ごした。
翌日
西公園の猫。寄るとすぐ逃げていってしまった。
数週間前に来た動物園。入り口の前で写真だけ撮って退散。
伊達政宗公と自転車。BGMとして荒城の月が流れる。
遠くには海が見えた。
まとめ
福島から仙台まで自転車で向かうにあたって、果たしてどのルートがいいのだろうか。国道4号は国見峠があるから避けるのがいいのかどうか。
それぞれの斜度や距離を比較してみる。
場所:福島県伊達市広前 〜 宮城県柴田郡柴田町槻木白幡4丁目
(国道4号と399号の分岐 〜 国道4号と349号の合流地点)
国道4号線 国道399と349号
・距離: 45.7km 50.6km
・最大標高差: 194m 53m
・平均斜度
上り: 3.2% 2.7%
下り: 2.5% 2.9%
・獲得標高
上り: 291m 180m
下り: 317m 213m
丸森経由のほうが距離は5kmほどプラスされるが、圧倒的に上らなくていいことが数値から分かる。実際、丸森ルートを走ってみて、坂がキツかったと感じるようなことはなかった。
国道4号は交通量が多く自転車にとって厳しいはずだ。それに比べ、今回走ったルートは路肩が狭いということを除けば、交通量も少なく安全なルートだったと考えられる。
坂が嫌いかつ夜間に走らないならば、自分的に丸森ルートがおすすめ。
今度は白石経由のルートを走ってみたい。
(追記: ↓ 国道4号バージョン)
おわり。
(再更新: 2020年4月20日)