苫小牧を出発して18日目、ウトロから羅臼までの30kmを走る。
北海道の難所の一つ、標高738mの知床峠を越える。
ウトロから羅臼までは知床横断道路と呼ばれ、
ヒグマの生息地のなかを走ることになる。
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18日目: ウトロ ~ 羅臼
21日目: 釧路停滞(記事なし)
18日目: ウトロ 〜 羅臼
ウトロを出発
10:00 ウトロの民宿を出発
民宿の外に出てみると小雨が降っていた。
ウトロで一日停滞してもいいな、と思ったが
私には時間がない。
本来ならば知床に来るはずではなかったからだ。
斜里からR244で根北峠を通り、標津に抜ける予定だった。
ここで、なぜ私が知床ルートに変更したのか。
それは根北峠には幽霊が出るという話を聞いたからだ。
道中で出会った旅人さんが言っていた。
馬鹿らしいとは思うが、
幽霊 > 熊
の図式が自分の中で成立し、根北峠を避けた。
知床横断道路
熊鈴を装備完了。
ウトロの街を見渡せるところまで登ってきた。
ここからが正念場だ。
知床自然センター付近で鹿の親子がいた。
知床は本当に自然溢れるところだと感じた。
私たち人間が彼らの住処にお邪魔している姿勢を忘れてはいけない。
11:00 標高290メートル地点
10km/hでジリジリと登っている。
実に先が見えてこないので精神的にキツイ。
11:20 標高500メートル地点
私の背中を押してくれるように風が吹いている。
雨は降ったり止んだりしているが、
風のおかげで少し楽に感じた。
標高500メートルまで来ると、視界が開けてきた。
羅臼岳は雲に隠れてその姿を見せてくれない。
クネクネのカーブを登り、もう少しで峠だ。
薄っすらとだが眼下には海がみえた。
知床峠
11:50 知床峠
キター!知床峠!
峠はめちゃくちゃ寒くて強風だ。
気温を確認すると、
8℃だった。(9月中旬に!)
羅臼側をみてみると、
北方領土をこの目で見るのは初めてだ。
こんなに近いのかと驚いた。
ここから羅臼町に入る。
あとは下るだけだが、雨脚が強くなってきた。
勘弁してくれよ、と思いながら坂を下っていると
これでもかというほどの雨がザァーと降ってきた。
カッパを着ていないため、
全身がビショビショになりながらひたすら耐えた。
熊の湯
長い下り坂をずっと下りてきて、やっと熊の湯に着いた。
熊の湯は地元の方々が管理されている野湯だ。
一応無料ではあるが、
寄付箱に少しばかりの気持ちを入れておくのがマナー。
地元の方いわく、
まず最初にかけ湯をしてから、5~10秒ほど湯に浸かる。
そして少し身体を冷ました後に再び湯に入る。
これがここの温泉の入り方らしい。
なぜそんな入り方をするのか。
それは、熱いからである。
私の場合、5~10秒のあいだ湯に使った段階で身体が真っ赤になった。
それでも雨で冷えた身体を温めることができたので、
寒さによる眠気も吹っ飛んでなんとか羅臼に辿り着けた。
羅臼の街
14:00 羅臼に到着(出発から4h)
熊の湯から3kmほど下ってきて、羅臼の街にやってきた。
本当はもっと先に進みたいが、
天候が不安定のため羅臼でストップしておく。
まずはセイコーマートでホットコーヒーを飲んだ。
落ち着くなぁ。
港に行ってみると、真ん前に国後島があった。
すごく大きいです。
熊の湯で出会った方に教えていただいた
ライダーハウス『お気軽屋』に泊まる。
個室1500円という破格の安さで、部屋もいい感じ。
また別途で300円払うことにより暖房をつけることができた。
まさか9月で暖房を使うとは思っていなかった。
北海道と本州の気候が異なることを改めて実感した一日だった。
18日目のまとめ
18日目はウトロから羅臼までの30kmを走った。
知床峠は思っていたよりもキツくはなかった。
そして幸運なことに熊にも遭遇しなかった。
ただ、熊に遭遇したという人に出会ったため
知床は油断できないと感じる。
聞いた話によると知床横断道路に出ることは稀で、
カムイワッカとかユースホステルの方が出没頻度が高いらしいので注意。
走行距離: 28.67 km
総走行距離: 1732.4 km
苫小牧まで残り 675.97 km
まだつづく。